=導入の経緯について教えてください。=

ファーマシィ薬局益田センターは2017年6月にオープンしました。地域の皆様に、新しくできた私たちの薬局にご興味を持っていただき、足を運んでいただくためにはどうしたら良いかと考え、益田市内ではまだ珍しいペッパーの導入を決めました。テレビ等ではよく見かけるペッパーですが、益田市内ではこれまでイオン益田店に1台あっただけで、当薬局に設置したものが2台目となります。「ペッパーがいる薬局に行ってみよう」と、足を運んでいただくきっかけになればと思い、導入しました。

 

=話題性の観点で導入したのですね。今回、ペッパーはどのように活用しているのですか?=

待合室で患者さんへの挨拶や、お薬に関する用語の説明などを行ってもらっています。たとえばお子様やご高齢の方にお薬をお出しする際には、飲みやすいように薬を粉砕するなど時間のかかる作業を行う場合もあり、薬剤師による薬の確認などとあわせると、場合によっては30分以上お待ちいただくこともあります。

体調がすぐれない中でお待ちいただく時間は、特に辛く長く感じられるものです。待ち時間そのものを短くしようと努めてはいる一方、ペッパーが待合室で患者さんの応対をすることで、体感的な待ち時間を減らすことをねらっています。

また、「ジェネリック医薬品」など、お薬に関する専門用語について、ペッパーが患者さんに説明できるよう設定しており、待ち時間の間に、ペッパーから興味津々の様子で説明を聞いている患者さんもいらっしゃいます。

 

=患者さんの反応はいかがですか?=

珍しさもあり、ペッパーの存在自体を楽しんでくれている方が多い印象です。特にお子様達には人気で、待合室でペッパーに話しかけたり、ペッパーにダンスやゲームをさせて楽しんでいる姿をよく見かけます。ご家族連れの方からも、待ち時間をお子様と一緒に楽しめると、ご好評いただいています。また、ご高齢の方が会話を中心に楽しまれているのに対し20代の若い方などは、ペッパーの機能自体に関心を持たれ色々と試している姿を目にします。ペッパーとの接し方は様々ですが、各世代の患者さんに楽しんでいただいていると感じます。

当初の目的だった、ご興味を持っていただき薬局に足を運んでいただくきっかけに、ということについては、一定の成果が出ていると感じます。

 

ペッパーがいるお店 島根県益田市 ファーマシィ薬局

 

=薬局スタッフにとって、ペッパーを置いたことによるメリットはありましたか?=

薬の準備のために患者さんをお待たせしている時間は、薬局スタッフにとっても、患者さんに申し訳ないという思いから、焦りが生まれる時間です。そんな時に、待合室のペッパーがダンスなどで患者さんを和ませてくれている姿は、患者さんだけでなく薬局スタッフの気持ちも落ち着かせてくれます。それによって、間接的にはミスの防止や患者さんへのより良い応対につながっていると感じます。

 

=ペッパーを使用するうえで難しいと感じることはありますか?=

ペッパーに話しかけてもうまく聞き取ってもらえず、反応がなくて再度話しかけることになったり、ペッパーが聞き間違えて的外れな返事をすることがあります。

また、精密機械ならではのデリケートさで、日光の当たり具合によってセンサーがうまく機能せず、元気がないことがあります。そんな時には場所を移動させると、いつもの元気なペッパーに戻ります。しかし、そういった手がかかる部分も妙に人間くささを感じさせ、欠点ではなく、むしろ患者さんや薬局スタッフが、ペッパーに対して愛着を感じる要因のひとつになっているように感じます。

 

ペッパーが働くお店 島根県益田市 ファーマシィ薬局

 

=最後に、今後ペッパーに期待することを教えてください。=

当初は試験的に1年間だけ設置する予定でしたが、患者さんの反応も良好であり、設置期間を延長することも検討しています。今後はより地域の方々に親しんでいただき、円滑なコミュニケーションを行えるよう、方言への対応などができるようになればと考えています。

また、ペッパーが患者さんへの問診を行ったり、アンケートを取ることができたらと考えています。特に、体調がすぐれない中で多くの質問にお答えいただくことになる問診は、患者さんに圧迫感を与えることもあります。それを愛嬌のあるペッパーが行うことで、少しでも緩和できないかと考えています。

ペッパーがより愛される存在になり、患者さんが、私たちの薬局でペッパーに会うことをより楽しみにしていただけるよう、開発元にもより良いアプリケーションの開発・ご提案を期待しています。

 

【インタビューのご協力】株式会社 ファーマシィ 様
http://www.pharmacy-net.co.jp/

 

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